眞山舎は、哲学者の金泰明氏と協力して、毎月第4金曜日に複数人で集い、世の中の「当たり前」を疑い、深く考え、とことん議論する、「相互承認」と「共通了解」(*注1)の実践をする哲学塾「ひらく舎」を運営しています。
日々暮らしていると、なにかを深く考える時間を取ることがとても難しいことを感じます。
家族や友人、職場の上司や同僚の言葉や、メディアで見聞きしたことに対して、違和感や怒り、悲しみを抱いたとしても、日々の忙しさの中で、どうしても深く考えずに流さざるを得ない。
今日、「共生」、「多様性」、「対話」といった言葉が、日常的に使われるようになりました。
一方で、「共生とは何なのだろうか」、「多様性とは何なのだろうか」、「対話とは何なのだろうか」という抽象的で、重々しいことを他の人と話し合う機会を作ることもできません。
しかし、それは、「ものごとが何となく当たり前」になっていくことにもつながっている気がして、私はこわいです。なぜなら、「当たり前」を「当たり前」として受け入れてしまうことは、すれ違いなどにつながるからです。
例えば、「共生社会」という言葉をとっても、「お互いが差別や偏見がなく、関わり合いながら共に暮らしていくこと」だと考えている人もいれば、「思想や信条が異なっていても、相互に干渉せず、同じエリアに存在すること」だと言う人もいます。
お互いがすれちがったまま意見を主張したとき、話が平行線になり、理解し合えずに不和だけが生まれるなんてこともたくさんあります。
しかし、人は、1人で生きることができません。だからこそ、他者と共に在るために、「共通了解」を大切にしています。
哲学塾「ひらく舎」では、哲学に詳しい人も、そうでない人も、その場に参加できるよう、「私の体験」と「私の言葉」に焦点を当てています。
お互いの「私の体験」と「私の言葉」を通じて、それぞれが共鳴したときの特別なこころの感覚。この「共鳴の体験」こそ、「共通了解」だと捉えています。
哲学塾「ひらく舎」は、共鳴が起こる場=共通了解の場を目指して、この場を開いています。
*注1:哲学塾「ひらく舎」では、「共通了解」と「相互承認」という考え方を大切にしています。共通了解は、全員にとって同じ条件を見つけることとし、相互承認は、お互いのちがいを認めることとしています。この2点を原則にしながらさまざまなものごとを参加者同士で見ることを試みています。
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議論テーマ(例):ご参加される方々の違和感や問題意識により、自由に、お持ち寄りいただいた記事等に基づいてテーマ設定をしたいと思います。参考として、以下のようなテーマが想定されます。
・「本当にすべての人間は生まれながらにして人権があるのか」
・「本当に対話は必要なのか」
・「巷にあふれている〈共生〉とはそもそも何か、だれとの共生なのか」
日程(予定):毎月第4金曜日18:00-20:00を予定
定員(仮):各回5〜8名程度。小さなグループで「共通了解」を目指すため、連続でご参加いただくと楽しめるかと思います。
参加費:1,000円(当日に提供するお茶菓子、備品、あるいは今後の新しい試みを実施するためにご協力よろしくお願いいたします。)
主催者:土屋 一登(一般社団法人眞山舎代表理事)、金泰明(哲学塾OWLs、大阪公立大学・人権問題研究センター特別研究員)