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NPOのファンドレイジングの本質は、リソースギャザリング

このブログは、『ちょこっとメモ』と題して、眞山舎代表の土屋一登が当団体の経営やNPO支援事業をとおして感じていること・考えていることを短く紹介しています。


はじめに結論をお伝えします。NPOの「ファンドレイジングは資金調達」だと言われますが、その本質は「リソースギャザリング」です。


言葉の意味

「ファンドレイジング」とは、NPOの「資金調達」の意味で使われます。ただ、実際にファンドレイジングに関わる方は、その過程において発生する「あらゆること(例:ビジョン、事業計画、組織開発等)」も含めてファンドレイジングと考えることが一般的です。


さらに、「ファン度レイジング(ファンレイジング)」や「フレンドレイジング」という言葉で「ファン度をアップする」、「ファンを増やす」、あるいは「フレンド(友人)を増やす」という意味合いで使う方もいます。団体や活動への共感が「資金調達」に繋がるという考え方です。


私が冒頭に書いた「リソースギャザリング」とは、「リソース(資源)を集める」という意味で使っています。要は「NPOを経営するために必要な資源を集めることがファンドレイジングの本質」だという考え方です。以下にその理由を簡単に3つ挙げます。


NPOのファンドレイジングの本質が「リソースギャザリング」である3つの理由

理由1:まずはお金のことより、組織に必要なこと・不要なことの特定が大事

ビジョン、事業、そして組織。ここまで検討してやっと、「具体的に必要な金額はいくらか」という話になります。


組織にとって「何が必要で、何が不要か」を明らかにしなければ、具体的に必要な金額が不明だからです。


つまり、「お金のこと」よりも先に「お金じゃないこと」を明確化します。ファンドレイジングの推進における重要な過程です。


この作業は、「何のためにどんな資源が必要か」に取り組むことも意味します。


なお、キャッシュフローの問題等、緊急性を伴う資金調達の話ではありません。


理由2:NPOのファンドレイジングでは、積極的な資金調達をしないという判断になることも

〈理由1〉を進める過程で、「いまやることは資金調達じゃない」という判断になることも多々あります。


積極的な資金調達が不要であれば、おのずと別のこと(例:事業の振り返り、ボランティアとの交流、業務における規定作り等)に力を注ぐ必要がある/注ぐことが出来るということがわかるようになります。


入口がファンドレイジングであっても、出口は異なる領域になることもあるということです。資金調達をするために始めたことが、直接的には資金とは関係ないことに繋がるのですね。


理由3:資金調達には資源が必要

例えば「1年以内に100万円が必要」だと判明しても、ファンドレイジング手法の話だけには収まりません。どの財源にするのかという話から、どういう方法で集めるのか(例:ホームページ、メール、訪問、説明会等)、誰がやるのか(理事、職員、ボランティア、プロボノ、インターン等)、情報の集約先は何か(寄付プラットフォーム、CRMシステム等)、それらにはお金がかかるのか等々。


上記の通り、ファンドレイジング活動は、お金以外のことも考えるということを含意します。つまり、お金のことだけ考えているわけではないのです。


以上3つの理由から、私は「ファンドレイジングの本質は、資金調達ではなくリソースギャザリング(資源調達)」だと考えています。

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