2025年1月9日
哲学の原理から「人権」を学びなおす最適な機会です
生きづらさを抱えるひとや、ケアの仕事・活動に関わるひとが受講している、「より善く生きる哲学の学校(略称:善哲、ぜんてつ)」では、「人権の哲学クラス」の単発受講の受付を開始しました!
「生きづらさ」がありながらも、わたしたちが自由な存在として、幸せを感じながら暮らしを営むにはどうしたらよいのか。参加される方が、そのような問いを深めていく機会になったらと思っています。
「人権の哲学クラス」では、「ひとは生まれながらにして人権をもっている」という前提で話を進めません。むしろ、逆に、「本当にそうなのか」という視点を大切にしています。
だからこそ、人権は「もともと『(神によって)与えられている』とされている」ということや、福澤諭吉が「『人権=人間の諸権利』を『権利』ではなく『権理通義』と訳すべきと言っていた」等、「当たり前」だとされていることをさらに一歩、二歩、踏み込んで学びを深めます。
そうすることで、わたしたちが何気なく使っている「人権」という言葉をより暮らしに近づけ、生きた言葉として人権を大切にしていくことができるのです。
参加者の方からは以下のようなコメントをいただいています(*わかりやすいように、一部要約)!
一人の存在が自由に生活しているだけなら権利は特にない、というのがおもしろかった
社会に存在するすべての人間が『自由な存在』とされているのに、コミュニティのなかで『自由な存在』として扱われていないことはおかしいのではないか
『義務としての人権』からの脱却というコンセプトがおもしろい!ただ、『約束としての人権』にも乗り越えるべき壁があると思う
生きた思想。人間として生きることをやっていきたいと思った
またこれは、現代を生きるわたしたちにとって重要である、【原理原則にもとづいて思考すること】、【ものごとを根本から問い直すこと】、【ものごとの本質を見出すこと】を助けるものでもあります。この機会にぜひご受講ください!
なお、講座後は懇親会があったり、講師によるオンラインのオフィスアワー(基本は毎月第二水曜日13時から1時間)も設けていますので、ぜひ共に学ぶ仲間と共に学びを深めていただけたらと思います。
各回講座概要
(1)前回コメントシートのコメント共有(講師がコメントを紹介し、受講者に問いかけながら、全体で振り返り、学びを深めます)
(2)当日のテーマの講義(事前学習をされいる方に感想共有をいただくこともあります)
(3)質疑応答・感想共有
(4)コメントシートの記入
(5)事務連絡等(次回日程、テーマ紹介、および懇親会について)
*講師による講義が中心となりますが、アクティブラーニング方式で、受講者と意見交換をしながら進めます。
*講義にはテキストとして講師著『人権は二つの顔をもつ』を使っています。事前・事後の学習にご購入をおすすめしていますが、任意ですので、当日は貸出用の書籍をお貸しします。また、複数回の参加をされる場合は、事務局までお知らせください。
日程
○終了【9月29日】第1回:人権観と問題点(「死んだ思想」から「生きた思想」へ)
○終了【10月27日】第2回:天賦人権思想の成立・天賦人権思想の成立(ルネッサンス、宗教革命、自然の発展ほか)
○終了【12月1日】第3回:「権利」と天賦人権論(明治以降の日本における人権)
○【1月26日】第4回:ホッブズの人権思想(自己保存、そして、平和へ)
○【3月2日】第5回:ロックの人権思想(私の身体とこころは、絶対的である)
○【3月30日】第6回:ルソーの人権思想(自分自身の主人になる)
○【4月27日】第7回:カントの道徳的自由論(義務論的な人権思想の源流)
○【5月25日】第8回:ミルの「自由論」(「個人の自由」と「市民の自由と義務」)
○【6月29日】第9回:ヘーゲルの人権思想とマルクスの批判(人権批判に耳を傾ける)
○【7月27日】第10回:人権をめぐる仮象と実相(全く異なる二つの人権原理を明らかにする)
*いずれも日曜日15時から17時まで
*テキストとして『人権は二つの顔をもつ』を利用します
講師
金 泰明(きむ・てみょん) 人権の哲学者、一般社団法人眞山舎・理事
大阪生まれの在日韓国人二世。70年代から90年代に在日韓国人による二つの人権NGOを立ちあげ専従スタッフとして活動。『在日韓国人政治犯を救援する家族・僑胞の会』(事務局長、1977年-1990年)、『在日韓国民主人権協議会』(共同代表、1991年-1995年)。
その後、東京とイギリスの大学院で「人権と共生」の哲学を研究。20年間、大阪経済法科大学法学部で教鞭を執る。定年退職後、「哲学塾」を立ち上げ、東京と大阪で「哲学対話」や人権と共生の哲学研究会の活動を行っている。「人権を哲学する」がモットー。「人権の哲学」は「自分を大切にすること」から始まる。現在取り組んでいる研究テーマは「普遍共生論」(認知症の人の共生の哲学原理)。
代表的な著書に2006年『共生社会のための二つの人権論』(トランスビュー)、2008年『欲望としての他者救済』(NHKブックス)、2014年『人権は二つの顔をもつ』(トランスビュー)、2022年『共生社会のためのことばの教育―自由・幸福・対話・市民性』(稲垣みどり/細川英雄/金泰明/杉本篤史共著、明石書店)、ほか論文多数。
国際学博士(明治学院大学大学院国際学研究科)/ MA(人権学・英国エセックス大学大学院人権理論実践コース) / 元大阪経済法科大学法学部教授
場所・アクセス
リトマス(東京都国立市東1-4-6 国立商協ビル2F)*JR中央線 「国立駅」南口より徒歩3分程度
参加費
講座1つにつき3,000円
申込方法
以下のフォームよりお申し込みください
https://forms.gle/yVbLRqnQJ9VFD5yG8
お支払い方法
講座開催前日までに、お送りする銀行口座に3,000円のお振込をお願いします。
また、振込手数料は申込者さんでお持ちいただきますようお願いいたします。
問い合わせ
一般社団法人眞山舎(さなやまや)
090-4097-4465
主催
一般社団法人眞山舎(さなやまや)